目的を見失った改善は、社員を迷子にする

photo of mountain during dawn

「頑張ってるのに、成果が出ない」その理由

「うちも改善をやってるんだけど、なかなか変わらない」
「社員は動いているのに、全体としては前に進まない」

そんな相談を、最近とてもよく聞きます。

実はこの“頑張ってるのに成果が出ない”状態――
原因は、ゴールが共有されていない改善にあります。

つまり、会社の中でそれぞれが違う方向を向いて動いている状態です。
このままでは、どれだけ努力しても、
組織は“バラバラに進むチーム”になってしまいます。


改善は「手段」なのに、目的になっていませんか?

多くの会社で、改善は「やること」になっています。

・毎月の改善報告会を開く
・5Sを続ける
・提案制度を整える

それ自体は素晴らしい取り組みです。
ですが、“なぜそれをやるのか”が抜けてしまうと、
改善は“目的を失った活動”に変わります。

本来の改善は、「会社を良くするための手段」。
なのに、気づけば“改善をやること”が目的になっている。
ここに、現場の疲弊とモチベーション低下の原因が潜んでいます。


ゴールが見えないと、人は動けなくなる

改善活動が停滞している会社ほど、
現場にこんな空気が流れています。

「何を目指してるのか、正直わからない」
「上が言うことが毎回違う」
「結果、誰のためにやってるのかわからない」

これは、ゴールが共有されていないサインです。

人は、行動の意味が見えないと動けません。
“改善を進めたい経営者”と、“日々の仕事を回したい現場”が、
別々の地図を持って進んでしまうと、組織全体が迷子になります。


目的を描けない改善は、「負担」を生む

ゴールが曖昧なまま改善を始めると、
やることだけが増えていきます。

・新しいチェックリスト
・追加の会議
・報告書のフォーマット変更

結果、現場の声はこうなります。
「改善って、仕事を増やすことなんですか?」

改善は本来、負担を減らすための活動
なのに、目的を見失うと逆に疲弊を生んでしまう。
これが“改善疲れ”が起こる一番の原因です。


成果が出る会社は、「ゴールを描く」ことから始めている

改善が上手くいく会社は、
まず最初に「どこへ向かうのか」を明確にしています。

たとえば――

・3年後、社員が10人でも今と同じ仕事量をこなせる仕組みにする
・現場リーダーが判断できる仕組みを整える
・人に依存せずに仕事が回るチームを作る

このように“理想の姿”を描くことで、
現場も「なぜこの改善が必要なのか」を理解できるようになります。

ゴールが見えると、動き方が変わります。
社員が自ら判断し、同じ方向へ進み始めるのです。


「方向のズレ」が、すべてのロスを生む

多くの経営課題――人手不足、離職、属人化――
これらの根っこには、“方向のズレ”があります。

改善を繰り返しても成果が出ないのは、
努力の方向がそろっていないから。

どれだけ優秀な社員でも、
“向かう先”がバラバラでは成果は積み上がりません。

逆に、方向さえそろえば、
少ない人数でも成果を最大化できるのが中小企業の強みです。


「ゴールから逆算する改善」が、現場を救う

改善のスタート地点は、“問題”ではなく“目的”です。

・どんな未来を描きたいのか
・そのために何を変えるべきか
・今やっている改善はその未来に繋がっているか

これを一度立ち止まって考えるだけで、
現場の迷いが消え、改善が“動き出す改善”に変わります。

改善とは、「目の前を直すこと」ではなく、
未来へ向かう道を整えること。

その道筋が描ければ、迷子の現場はもういなくなります。


「目的から整える改善」で、会社は動き出す

私は、経営者の理想を“現場で動く計画”に変える整え屋として、
中小企業の業務改善と仕組み化を支援しています。

ゴールを見失った改善は、
現場を疲弊させ、人材を失います。

でも、目的を整え直せば、
少ない人でも“成果が出る仕組み”を作ることができます。

改善とは、努力を増やすことではなく、
努力が実る仕組みを整えること。
その最初の一歩を、一緒に描いていきませんか?

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