DXが進まない理由は「難しそう」だから
最近、どこへ行っても耳にする「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。
けれど実際の中小企業では、こんな声をよく聞きます。
「うちにはそんな予算ないよ」
「社員がITに苦手意識を持っていて…」
「DXって、結局なにをすればいいの?」
そう、DXが進まない最大の理由は“難しそう”に感じていること。
でも実は――DXの前にやるべきことがあるんです。
それが、「小さなIT化」です。
「小さなIT化」は現場から変わる第一歩
小さなIT化とは、いきなり大掛かりなシステムを導入するのではなく、
今ある業務の中にあるムダを、ITで少しずつ整えることです。
たとえば、
- 手書きの伝票をExcel入力に変える
- 紙の報告書をスマホで共有できるようにする
- 在庫管理をGoogleスプレッドシートで可視化する
どれもDXと呼ぶには小さなこと。
でも、現場の「探す・聞く・待つ」を減らすだけで、
1人分の手間を生み出すことも可能なんです。
DXとIT化の違いを、まず理解する
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、
「デジタルでビジネスモデルを変革すること」。
つまり、経営全体の変化を意味します。
一方、IT化は「業務をデジタルで効率化すること」。
現場の作業をラクにする、身近な取り組みです。
多くの中小企業がつまずくのは、
DX=経営改革から始めようとするから。
まずは、現場が回る“小さなIT化”から始める。
それが、DXの成功率を高める近道なんです。
「小さなIT化」で得られる3つの効果
では、小さなIT化を始めるとどんな変化が生まれるのでしょうか?
私が支援してきた現場では、共通して次の3つの効果がありました。
①「見える化」が進み、判断が早くなる
手書きや口頭でのやりとりは、どうしても情報が途切れます。
しかし、ITで見える化するだけで、
“誰が・いつ・何をしているか”が瞬時に分かるようになります。
これにより、経営判断のスピードが圧倒的に上がります。
現場も「社長の判断待ち」で止まることが減り、
仕事がスムーズに進み始めます。
② 属人化が減り、誰でもできる仕組みになる
中小企業の多くは、特定の人にしか分からない仕事が多い。
でも、IT化して手順やデータを共有すれば、
「〇〇さんが休んでも回る現場」に変わります。
これは“人を増やす”よりも効果的な改善です。
仕組みが整えば、人が育つ土台ができます。
③ 現場のモチベーションが上がる
新しいツールを入れると、最初は不安もあります。
でも、「あ、これ便利だね」「これなら私でもできる」と
現場が自分で成果を感じられるようになると、
“改善文化”が生まれます。
IT化は、現場を置いてけぼりにするものではなく、
現場に“自信”を取り戻させるツールでもあるのです。
「小さなIT化」を進める3ステップ
では、どこから始めればよいのでしょうか?
私は、以下の3ステップで進めることをおすすめしています。
Step1:今ある“紙・Excel・メール”を洗い出す
最初のステップは、「何がアナログかを見える化する」こと。
紙でやっている、手入力が多い、メールで重複している――
それらを一覧にすると、すぐに改善ポイントが見つかります。
Step2:一部だけでもデジタルに置き換える
すべてを変えようとすると失敗します。
まずは「一部のチーム」「ひとつの業務」だけで構いません。
たとえば、見積書の作成、日報の共有、在庫確認。
1つの業務がラクになれば、次の改善に自然とつながります。
Step3:続けられる“仕組み”にする
最後に大切なのは、“人に依存しない仕組み”にすること。
誰かが得意で回しているうちは、また止まります。
ツールの使い方や手順を簡単にマニュアル化して、
「誰でもできる運用」を作ることが、小さなIT化のゴールです。
IT化が進むと、“人手不足”の見え方が変わる
小さなIT化を積み重ねると、
「人が足りない」という悩みの本質が変わります。
それまでは“人数が足りない”と思っていたのが、
実は“ムダが多すぎた”だけだったと気づくのです。
業務を整えれば、
今いる人材でも成果が上がる。
そして、社員一人ひとりが“考える時間”を持てるようになります。
人を増やすより先に、“整える”。
これが、現場を動かす最初の一歩です。
「整えること」から始まるDX
DXとは、経営を変えること。
でもその出発点は、現場の小さなIT化にあります。
アプリを一つ入れる、ファイルを共有する、
それだけでも現場は動き始めます。
整えることから、変わる。
それが、私が支援してきた多くの企業に共通する成功のカタチです。
一緒に“小さなDX”を始めませんか?
私は、現場と経営を“つなぎ直す”整え屋として、
中小企業の業務改善とIT導入を伴走支援しています。
最初の一歩は、大きな投資ではなく、
“今のままでもできる改善”からで十分です。
まずは、あなたの現場の「整えるポイント」を一緒に見つけていきませんか?
RINEXT LAB|業務改善とDX支援のパートナー 